ふくおかフィナンシャルグループ(FG)がカードキャッシングで強烈な伸びを見せています。福岡銀行を筆頭に親和銀行、熊本銀行とも前年比で2ケタを超える高い伸びを示しているのが特徴。顧客に合わせた多彩な品ぞろえを用意するなど商品性の拡充が一通り済んだ16年度に入り、テレビCMなどマーケティング活動を強化していましたが、それらが確実に効果を上げた格好です。
17年3月末のふくおかFG全体の消費者ローンの貸出金残高は2348億円となり、前年比で22%増加しました。傘下3行では福岡銀行の勢いが特に目立ちます。16年同は前年比25%増の1656億円と急増しました。
ネットだけで借入れ手続きが完了するウェブ完結型商品に力を入れました。万が一ローン返済が厳しい状況になっても保険で返済を免除する団信付き保証商品の投入といった競合との差別化策も奏功しました。
ふくおかFGが消費者ローンの強化に本都市を入れたのはわずか数年ですが、この間に一気に事業規模を拡大させました。まずは個人事業主や投資不動産向けなど、ターゲット別に品ぞろえを拡充。並行して無担保ローンでは高額融資を投入。16年度から強化した広告宣伝も貸出金の急拡大を後押ししました。
カードキャッシングの借りては借入を他社に知られたくない傾向が強いです。スマホの普及は非対面取引を強化する中では残高拡大に追い風になります。「九州は他地区に比べて個人ハンさんの人口比に占める割合が高い傾向がある」(カードキャッシング会社)といいます。
残高の急拡大は、数年後の貸し倒れ増加という懸念が常について回りますが、17年度についても成長を加速します。18年3月までにグループ3行全体で約650億円増の2900億円規模に積み上げます。